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ぬりえとの出会い


ある日近くの神社で縁日がたった。
金魚釣りの店などたくさんの露店が出ていて賑やかだった。
一軒の露店に大勢の子供が集まっていた。
覗いてみるとぬりえを売っていて、
子供たちが好きな絵をあれこれと選んで、はしゃぎながら買っていた。
ぬりえが子供たちに人気のようだった。
何枚か買ってみると、楽しい童画が見事な運筆で描かれていて、
そうとうな画家の作品と思われた。
ぬりえを描いてみようかと思った。
当時、アメリカの少女漫画「ベティさん」がたいへんな評判だったので、 ベティさんの漫画をいろいろ描いて、ぬりえをこさえてみた。
露天商のところへ持っていくと、ぬりえは品数が多いほどよいと言って、
品不足のせいもあってか、快く引き受けてくれた。
その後、人物や風景や花などいろいろ描いてぬりえにしたが、次々とよく売れていった。
「たけし」という筆名にした。
まもなく「たけしのぬりえ」といって子供たちの人気となった。


                  ―「たけしの人生」口述筆記より抜粋―


作者プロフィール


本名:稲津 寅雄 (いなつ とらお)

1908(明治41年)0歳 福岡県大牟田市に生まれる
1926(昭和1年)18歳 長崎高等商業学校(現長崎大学経済学部)入学
1929(昭和4年)21歳 福岡県大牟田市三池貯蓄銀行入社
1933(昭和8年)25歳 上京
1934(昭和9年)26歳 ぬりえを描き始める
1936(昭和11年)28歳 品川写真学校入学
1937(昭和12年)29歳 日大藝術学部入学・内外編物株式会社勤務
1943(昭和18年)35歳 東京都交通局経理課勤務
1946(昭和21年)38歳 復員後単身上京・阿佐ヶ谷にてぬりえ業に専念
1950(昭和25年)42歳 ぬりえ業廃止
1951(昭和26年)43歳 図案、映画館の看板描き
1954(昭和29年)46歳 新宿中村屋経理課勤務
2000(平成12年)92歳 永逝
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